ボトックス

ボトックス(ボツリヌストキシン)注入とは


ボトックス注入とは、「ボツリヌストキシン」と呼ばれる神経毒素を筋肉に注入する治療法です。
神経伝達を遮断して筋肉の収縮を抑制する働きがあり、歯科医療の分野では歯ぎしりや顎関節症の改善などに用いられています。

元々ボトックス注入は脳卒中の後遺症で見られる手足の突っ張りや顔面痙攣などの治療に用いられていましたが、近年ではシワや多汗症の改善といった美容目的でも広く用いられています。

ボトックス(ボツリヌストキシン)注入はこんなお悩みの方におすすめです

  • 睡眠中の激しい歯ぎしりや食いしばりに悩んでいる人
  • 顎関節症(アゴの痛み、口が大きく開かないなど)に悩んている人
  • 日頃から口が開きっぱなしで口呼吸をしている人
  • 笑った時に見える歯茎(ガミースマイル)が気になる人
  • エラ張り(咬筋肥大)が気になる人

ボトックス(ボツリヌストキシン)注入で得られる効果

強い歯ぎしりや顎関節症、ポカン口(口呼吸)となる原因の1つとして、筋肉が過度の緊張状態になっていることが挙げられます。
これらの症状は、ボトックス注入で筋肉をほぐすことによって改善が期待できます。特に激しい歯ぎしりは咬み合わせの悪化や肩こり、頭痛などの症状を引き起こす要因にもなるため、早期の治療がおすすめです。

笑った時に歯茎が見える「ガミースマイル」が見られる方は、お口回りの筋肉が発達し過ぎている可能性があります。
また、顔のエラ張りについては咬筋(こうきん)、筋肉の過剰発達が原因であることが多いです。ボトックス注入には筋肉を収縮させる作用もあるため、これらのお悩みにも効果が期待できます。

美容クリニックでもボトックス注入はできますが、歯科クリニックでの施術であれば、口元の美しさだけではなく、咬み合わせなどの機能面も考慮しながら治療を進めることができます。
したがって「お口周りのトータルケア」を求めている方には、歯科医師によるボトックス注入をおすすめします。

ボトックス(ボツリヌストキシン)注入の効果持続期間

ボトックス注入の効果持続期間には個人差がありますが、一般的に3ヶ月~6ヶ月です。施術目的や注入部位などによっても、持続期間は変わってきます。

ボトックス注入後は早くて約3日前後、遅くとも2週間前後で効果を感じられます。神経の働きが徐々に回復をしていくことで効果が薄れていきますが、再度ボトックス注入をすれば効果が現れます。

ボトックス注入は継続することでより効果を実感したり、持続期間が長くなったりするので、ぜひ定期的に施術することをおすすめします。

ボトックス(ボツリヌストキシン)注入の流れ

STEP1 問診・カウンセリング

はじめに問診とカウンセリングでお身体の状態やお悩みを伺い、ボトックス注入が適しているかどうかを確認いたします。
問題がなければ、具体的な施術部位や効果についてご説明します。

STEP2 ボトックス注入

注入箇所の消毒とマーキングを行い、ボトックス注入をします。ご希望に応じて表面麻酔を行って施術中の痛みを和らげます。施術は数分間で終了するので、休憩時間やお仕事帰りに気軽に受けていただけます。

STEP3 経過観察

ボトックス注入の効果や副作用の有無を診るために、経過観察を行います。1~2ヶ月に1回の検診を推奨しておりますが、気になる症状が表れた場合は、すぐにご相談ください。



ボトックス(ボツリヌストキシン)注入のリスク・副作用・術後の注意事項

ボトックス注入の主なリスク・副作用

    赤み・腫れ・内出血が出る

    ボトックス注入をした箇所に赤みや腫れ、内出血が出ることがありますが、通常は数時間から数日で改善します。1週間以上経過しても改善しない場合は、速やかにご相談ください。

    表情を作りにくくなる

    ボトックス注入は筋肉の動きを抑制するため、注入量や部位によっては表情が作りにくくなってしまうことがあります。
    ボトックスの効果が薄れるにつれて改善されていきますが、気にかかる場合は次回以降の注入量や部位を調整いたします。

    アレルギー反応が生じる

    注入されたボトックスを異物と捉えて、アレルギー反応が生じることがあります。赤みや痒みといった軽度な反応がほとんどです。
    一般的には1週間から1ヶ月程度で治まりますが、症状が長引く場合はご相談ください。

ボトックス注入を控えた方が良い人

妊娠中や授乳中の人

現時点で、ボトックス注入における母体へ胎児への影響は明確になっていません。
予期せぬ悪影響を及ぼす可能性もあるので、妊娠中や授乳中の人はボトックス注入を控えましょう。

未成年もしくは高齢者の人

身体が成長途中にある未成年の人は、ボトックス注入で悪影響を受ける可能性があるので控えた方が良いでしょう。
高齢者についても、身体に負担がかかってしまうので控えることをおすすめします。

持病がある人

ボトックス注入は神経系に作用するため、以下の持病がある人には施術できません。

  • 神経筋疾患(ミオロニアや筋ジストロフィーなど)
  • 呼吸器系疾患
  • 緑内障など

ボトックス注入ができるかどうかは、問診にて判断させていただきます。

術後の注意事項

ボトックス注入後は、なるべく血行を促進するような行動を控えるようにしましょう。血行が良くなることで、赤みや腫れ、内出血などのリスクが高まってしまいます。

したがって施術当日は、長時間の入浴やサウナ、飲酒といった行為は避けるようにしてください。
運動はウォーキングなどの軽いものであれば問題ありませんが、ジョギングや水泳などの激しい運動は1週間程度控えるようにしてください。

また、施術部位は強い刺激を与えると赤みや腫れが悪化する可能性があるため、洗顔やメイク時などは強く擦ったりしないように注意をしましょう。

ボトックス(ボツリヌストキシン)注入のよくある質問Q&A

  • 施術中に痛みは感じますか?

    ボトックスは注射器で注入をするので、針を刺した時に軽い痛みが生じます。
    痛みが不安な場合は表面麻酔をするので、お気軽に申し出ください。

  • 保険適応で施術できますか?

    ボトックス注入は基本的に保険適応できないため、全額自己負担となります。

  • ダウンタイムはありますか?

    ダウンタイムはほとんどありません。施術後はすぐに帰宅して、普段通りにお過ごしいただけます。

  • 美容クリニックで用いるボトックスと違いはありますか?

    歯科医と美容クリニックで用いるボトックスに違いはありません。
    メーカーが異なる可能性はありますが、いずれもポツリヌストキシンを主成分としているため、効果に差はほとんどありません。

    歯科医でボトックス注入をする場合、口元の美しさや噛み合わせのバランスを見て施術ができます。
    口回りのトータルケアをお求めの方は、ぜひ歯科医でのボトックス注入をおすすめします

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